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相続発生後の具体的手続き⑥ 相続財産を概算する

今回は相続発生後の具体的手続きシリーズ第6回目です。


第6回目「相続財産を概算する


相続財産および債務の把握が済んだら、被相続人の相続財産の概算を出しましょう。

作成した財産目録に基づいて、ざっくりとでかまいませんので、相続財産の総額がいくらなのかを計算します。

この作業は、相続の開始日から3カ月以内に必ず行いましょう。

というのも、相続放棄の手続きや限定承認の手続きの期限が、原則、相続開始の日から3カ月以内となっているためです。

したがいまして、相続財産の計算の結果、財産よりも債務のほうが多いのであれば、速やかに相続放棄の手続きを行います。

この相続放棄の手続きをしなければ、単純承認したものとみなされて、すべての財産・債務を相続することになります。

相続放棄せず、単純承認するとなれば、相続税が課税されるかどうかの計算をします。

財産から債務を控除した課税価格が、相続税の基礎控除(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)以下の価額であれば相続税は課税されません。

この場合、相続税の申告の義務はありません。
※小規模宅地等の減額の特例や配偶者の税額軽減の特例を受けるためには申告しなければなりません。

 

なお、「財産から債務を控除した課税価格」で注意しなければならない点があります。

それは、

①一人の相続人が相続した財産以上に債務を相続した場合、その相続人の相続した財産はマイナスでなく、「0」となる。

②その「0」の価額に、相続開始前3年以内の贈与財産が加算される。

③その相続人の債務超過の部分は、他の相続人の相続した財産から控除することができない。

これは、どういうことかといいますと、

例えば、

甲さんが被相続人で、相続人はその子のAさん、Bさんがいたとします。

この場合、相続税の基礎控除は5,000万円+1,000万円×2人=7,000万円となります。

甲さんの遺産は財産で2億円、債務で1.4億円あり、

Aは財産1億円と債務1.4億円を相続し、Bは1億円を相続したとします。

Aは相続開始前3年以内に1,000万円の贈与を甲さんから受けています。


この場合、相続税の課税価格は以下のとおりとなります。

(Aさんの課税価格) 財産1億円-債務1.4億円=-0.4億円<0円 ∴0円
              0円+贈与1,000万円=1,000万円

(Bさんの課税価格) 1億円

AさんとBさんの課税価格の合計 1.1億円>基礎控除7,000万円
                                    ∴課税→申告必要


と、以上のように計算するということです。

申告必要か不要かの判断の誤りやすい点となりますので、注意してください。

 

基礎控除を超える財産であることが確定したら、相続税の計算と、遺産分割協議の準備をしていくことになります。

 

 

 

 

 

 

 


相続発生後の具体的手続き⑤ 相続財産・債務の把握

今回は相続発生後の具体的手続きシリーズ第5回目です。


第5回目「相続財産・債務の把握


相続人の確定と遺言書の有無を確認した後は、被相続人の相続財産および債務の把握をしていくことになります。


相続財産および債務の把握ができたら財産目録を作成しましょう。


財産目録を作成すれば、

相続するのか、相続放棄するのか、などの判断を下すことができます。

さらに、相続する場合、財産目録は遺産分割の協議の材料となり、各人の納めるべき相続税額を計算することもできます。


では、これら相続財産はどのような資料などから把握していくのでしょうか?

相続税の申告上、必要な資料とあわせて下記のような資料から把握していくことになります。

1.不動産・・・
          ①固定資産税・都市計画税課税明細書(毎年4月に市より送付)
      又は
      固定資産税・都市計画税名寄帳(市役所の固定資産税課で取得可)
          ②登記簿謄本
           ③住宅地図
           ④公図
     ⑤地積測量図
     ⑥建物図面
     ⑦賃貸借契約 など

2.預貯金・・・
     ①各金融機関の相続開始前5年分の通帳
     ②預金、借入金の残高証明書(相続日現在のもの)
     ③定期性預貯金証書のコピー
     ④定期預金等の利息計算書(相続日現在での未収税引後利息)

3.上場株式・・・
     ①株式残高証明書(相続日現在のもの)
      ②配当金計算書のコピー
     ③取引残高報告書、取引履歴

4.非上場株式・・・
     ①株の発行会社の決算書・勘定科目内訳書(過去3期分)
      ②法人税の申告書(過去3期分)
     ③株主名簿

5.公社債等・・・
     ①残高証明書(相続日現在のもの)
     ②証書のコピー

6.生命保険金・・・
     ①生命保険金の支払明細書
     ②保険証券のコピー(被相続人が保険料を負担したもの)
     ③団体信用生命保険の保険証券 など

7.損害保険金・・・
     ①保険証券のコピー(被相続人が保険料を負担したもの)

8.死亡退職金・・・
     ①退職金の支払明細書
     ②総会議事録、取締役会議事録

9.その他財産・・・
     ①ゴルフ会員権・・・会員権又は預かり証およびクラブ規約 など
      ②自動車・・・自動車検査証、購入明細書
     ③貸付金・・・借用証書
     ④家庭用財産・・・家具や貴金属等財産の明細 など
     ⑤手許現金・・・相続日現在の現金の有高

10.葬式費用・・・
     ①葬式費用の明細(領収書、戒名料、お布施、心付けなどのメモ)
     ②御香典帳

11.債務・・・
     ①金融機関からの借入金残高証明書(相続日現在のもの)
     ②借入金返済予定表
     ③固定資産税、所得税、消費税、住民税、事業税、贈与税の領収書
     ④医療費などの相続日現在で未払いのものの領収書 など

12.その他・・・
     ①過去に行った確定申告書
     ②過去の相続税申告書 など   


上記資料は相続税の申告書を作成するための重要資料でもあります。

破棄、紛失等することのないようご注意ください。


     

        

 

 


相続発生後の具体的手続き④ 相続人の確定と遺言書の有無の確認

みなさん、こんにちは。

神戸の税理士 杉浦 文彦 です。

今回は相続発生後の具体的手続きシリーズ第4回目です。


第4回目 「相続人の確定と遺言書の有無の確認


相続が発生し、葬儀が終われば相続人の確定を行う必要があります。

誰が相続人にあたるかは、親族のなかですでに周知されていることでしょう。

これを戸籍謄本で証明する必要があるのです。

そして法定相続人を確定するためには、被相続人が生まれてからお亡くなりになるまでのすべての戸籍謄本を取り寄せて確認することになります。

あわせて相続人の現在の戸籍謄本も取り寄せます。

これらの戸籍謄本で法定相続人を確定し、「相続関係図」を作成します。

この法定相続人の確定を間違ってしまうと、

遺産分割協議のやり直し、

相続税申告の修正、

相続税の追加納税、延滞税等の負担

が発生する場合がありますので、司法書士などの専門家に最終チェックしてもらいましょう。

 

法定相続人が確定した後は、被相続人の遺言書があるかどうかを確認しましょう。

公正証書遺言は、お近くの公証役場で、遺言者の氏名・生年月日から過去の公正証書遺言の作成履歴を検索してもらうことができます。

検索してもらう際には検索依頼をする相続人が、被相続人の除籍謄本、被相続人の相続人であることを証明する戸籍謄本及び相続人の運転免許証などの身分証明書を提示して照会することになります。

なお、遺言書の確認は、遺言者の生存中に遺言者以外の方がその存在を公証役場で確認することはできません。

公正証書遺言以外の遺言書が出てきた場合は、勝手に開封することなく、家庭裁判所において相続人立会いのもと、検認の手続きを行いましょう。

 


相続発生後の具体的手続き③ 遺族厚生年金の請求手続き

今回は相続後の具体的手続きシリーズ第3回として「遺族厚生年金の請求手続き」をご紹介致します。

厚生年金の被保険者または受給権者が亡くなった場合には、その遺族は遺族厚生年金を受けることができます。

支給の要件、受給できる人の要件は細かく定められており、この要件を満たさないと遺族厚生年金を受けることができません。

また、手続き先は、死亡した人が最後に加入していたのが国民年金か厚生年金かによって異なりますのでご注意ください。



遺族厚生年金の支給要件
 
 
 次の人が死亡した場合、支給されます。
 (1)厚生年金の被保険者
 
 (2)老齢厚生年金を受けている人または厚生年金の資格期間を満たした人
 
 (3)被保険者期間中に初診日がある傷病によって初診日から5年以内に亡くなった人
 
 (4)1級または2級の障害厚生年金の受けられる人



受給できる人の要件 

 被保険者または被保険者であった者の死亡当時、その者によって生計を維持していた次の受給権者となります。

第1順位 妻、夫、子
      ※妻と子の場合は妻、夫と子の場合は子が受給する。

第2順位 父母

第3順位 孫

第4順位 祖父母
※先の順位の人が受給したら、後の人は受ける資格がなくなります。

(注意)
 妻(年齢制限なし)
 夫、父母、祖父母(死亡日に55歳以上、年金の受給は60歳から)
 子、孫(18歳に達した年の年度末3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の子)

 


請求できる人 ・・・受給できる人の要件を満たす人又は代理人




手続き先
 (1)最後に加入していたのが国民年金・・・市区町村の国民年金の窓口

 (2)最後に加入していたのが厚生年金・・・年金事務所または年金相談センター

 (3)年金受給者が亡くなった場合・・・年金事務所または年金相談センター

 

手続き書類 ・・・ 遺族給付裁定請求書.pdf

 

 

添付書類
 ■年金手帳、基礎番号通知書(個人と請求者)

 ■戸籍謄本(故人と請求者)

 ■住民票の除票(故人)

 ■住民票(請求者の世帯全員分)

 ■年金証書(除籍の記載のあるもの)

 ■所得証明書または非課税証明書(請求者)

 ■18歳未満の子がいる場合は在学証明書

 ■故人の死亡診断書コピー

 ■20歳未満の障害者の子がいる場合は診断書

 ■年金が振り込まれる預金通帳

 ■認印

 ■代理人が申請する場合、委任状と身分を証明するもの


寄付金税制とふるさと寄付金についてアップしました。

弊所の事業者様向けホームページにて、「寄付金税制とふるさと寄付金」についての記事をアップ致しましたのでお知らせいたします。

こちらよりご確認ください。
寄付金税制とふるさと寄付金


相続発生後の具体的手続き② 年金受給権者死亡届と未支給年金の請求

こんにちは。

神戸元町の税理士 杉浦 文彦 です。


今回は、相続後の具体的手続きシリーズの第2回として「年金受給権者が死亡したときの手続き」をご紹介します。


「年金受給権者死亡届」と「未支給年金請求書」の提出
 
国民年金や厚生年金の加入者がお亡くなりになった場合、すみやかに「年金受給権者死亡届」を最寄りの年金事務所、または年金相談センターに提出します。

この提出が遅れると死亡後も年金が振り込まれてしまい、後で返還する手続きが必要となりますのでご注意ください。

死亡した人に支払われる予定だった年金(未支給年金をいいます。)があるときは、遺族にその分の年金が支払われます。
請求は「未支給年金請求書」を提出して行います。

未支給年金を受け取ることのできる遺族の方は、年金を受けていた方の死亡当時、その方と同一生計であった配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。
受け取ることができる順位もこのとおりです。

未支給年金請求書と同時に年金受給者死亡届を提出すると一度で用が済みますので、同時に提出するようにしましょう。

【年金受給権者死亡届】

手続き要件・・・年金受給者または年金受給待機中の人が死亡した場合

手続きをする人・・・遺族

添付書類・・・①受給権者の年金証書
                   ②受給権者の除籍謄本等(受給権者が死亡したことを明らかに 
 
          できる書類)

必要なもの・・・手続きをする人の認印

提出先・・・年金事務所、年金相談センター

期限・・・ないが速やかに提出すること


【未支給年金請求書】

手続き要件・・・死亡した受給権者の未支給年金がある場合

手続きをする人・・・一定の遺族

添付書類・・・①受給権者と請求者の身分関係のわかるもの(戸籍謄本等)
                   ②受給権者の住民票の写し
                   ③請求者の住民票の写し
                   ④受給権者と請求者の住民票の住所が異なっている場合は、第
          三者により同一生計であったことを証明する書類

提出先・・・年金事務所、年金相談センター

必要なもの・・・①請求者の認印
                     ②年金が振り込まれる請求者の預金通帳

期限・・・請求期限5年

↓↓↓未支給年金請求書と年金受給権者死亡届の様式はこちら
未支給【年金・保険給付】請求書.pdf 

 

 

 


相続発生後の具体的手続き① 死亡届の提出、葬祭費・埋葬料の受給手続き

みなさん、こんにちは。
神戸元町の相続専門税理士 杉浦です。

相続専門とはいっても、お客様のご要望にお応えするのが弊所のモットーですので、譲渡申告や法人税申告、所得税申告などもサポートさせていただいておりますが(笑)

さて、今回のテーマは、いざ、相続が発生してしまった場合、役所などへの手続きはどのようなものがあるのか、をご紹介いたします。


(相続後の手続き)
1.死亡届を提出する

 人が亡くなったときは、その親族は、その死亡を知った日から7日以内市区町村役場の戸籍係に死亡届(死亡届と死亡診断書はセットになっています。)を提出しなければなりません。
 ※なお、死亡診断書は他にも用途があり、コピ―を複数枚とっておくのがよいでしょう。

2.葬祭費、埋葬料の受給手続きをする

 被保険者や被保険者の被扶養者が亡くなった場合、健康保険や国民健康保険などから、葬儀費用の一部が支払われます。

 
①国民健康保険の葬祭費の受給要件、申請手続き
   受給要件・・・国民健康保険の被保険者が死亡した場合
   請求者   ・・・葬祭をとりおこなった遺族
   葬祭費の額・・・自治体によって異なります。(神戸市の場合 5万円
   窓   口・・・住所地の市区町村(国民年金課)
   手続き書類・・・「国民健康保険葬祭費支給申請書」 
                           (神戸市)国民健康保険葬祭費支給申請書.pdf
      申請に必要なもの
                     ・・・保険証、死亡診断書、葬儀店の領収書
            請求者の印鑑(認印可)、請求者の預金通帳、免許 証など
            ※詳しくは市区町村に確認してください。
   申請期限・・・申請期限は死亡日の翌日から2年以内

 ②健康保険の埋葬料の受給要件、申請手続き
   受給要件・・・健康保険の被保険者が死亡した場合
   請求者  ・・・夫が亡くなった場合の妻など、社会通念上埋葬を行うべき人
   埋葬料の額・・・一律5万円   
   窓   口・・・全国健康保険協会各支部、または健康保険組合
   手続き書類・・・「 健康保険被保険者(家族)埋葬料(費)支給申請書.pdf
   
   申請に必要なもの
                    ・・・健康保険証、死亡診断書コピー、葬儀店の領収書
             印鑑、預金通帳など
          ※他にも書類が必要な場合があるので、事前に確認しておく。
   申請期限・・・申請期限は死亡日の翌日から2年以内
   ※被保険者の被扶養者が死亡した場合、家族埋葬料が支給されます。


以上、死亡届の提出、葬祭費・埋葬料の受給手続きについてご紹介いたしました。
次回以降も相続後の手続きについてご紹介していきたいと思います。
  

 


印紙税の基礎知識

商取引を行っていると必ず発生するのが印紙税です。
そしてその印紙税は、税務調査の際には、必ずチェックされる分野でもあります。

今回は、身近な税金である印紙税についてご紹介いたします。

 

印紙税とは

印紙税は、建築工事などの請負契約書や、商品の売却代金を受けとったときに発行する領収書などに、その記載金額に応じて課税される税金です。


印紙税の納税義務者は?

請負契約書や領収書等課税文書の作成者が納税義務者となります。
これらの文書を2人以上が共用して作成したときは、それらの者に連帯納付義務があります。


印紙税の納付方法は?

課税文書に印紙を貼り消印することで納税することになります。


印紙を貼りつけなかったら?

課税文書の作成者が、その印紙税額の3倍に相当する過怠税を徴収されることになり、また、印紙の消印がなされていないときはその印紙税相当額(1,000円未満のときは1,000円)が過怠税として課税されます。
ただし、課税文書の作成者が所轄税務署長に対し、印紙税の不納付の申出をし、その申出が過怠税の決定があることを予知してされたものでないときは、過怠税は印紙税額の1.1倍に相当する金額となります。

 様式はこちら(国税庁様式)↓↓↓
   印紙税不納付事実申出書  

 

印紙の消印は、契約者が数人いる場合、その全員で消印しなければならない?

消印は印紙の再使用を防止することを目的としていますので、複数の人が共同して作成した文書に貼り付けた印紙は、その作成者のうち誰か1人の者が消せばよいことになっています。
例えば、甲と乙とが共同して作成した契約書については、甲と乙の双方が消印しても、甲と乙のどちらか1人が消印しても差し支えありません。


契約書をコピーして保管する場合、印紙税はどうなるの?

コピーした契約書には印紙税は課税されません。したがって、当事者の一方しか契約書を必要としない場合は、コピーを保管することで印紙税が節税できます。


消費税と印紙税

次の文書については、消費税額を区分して記載している場合、印紙税の記載金額に消費税額を含めないこととされています。
例えば、領収書に、「商品販売代金29,000円、消費税額等1,450円、合計30,450円」と記載したとします。この場合、消費税額等の1,450円は記載金額に含めませんので、記載金額29,000円の第17号の1文書となります。したがって、記載金額が3万円未満ですから、非課税文書となり、印紙税は課税されません。

(1) 第1号文書(不動産の譲渡等に関する契約書)

(2) 第2号文書(請負に関する契約書)

(3) 第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)

 

 

 

 

 

 

 


事業承継における相続税の納税資金対策

今回のテーマは「事業承継における相続税の納税資金対策」です。

相続の対策として常に考えておかなければならないポイントとして次の3つが挙げられます。
1.遺産分割対策
2.納税資金対策
3.相続税の節税対策

そして、この中での優先度も上記の1~3の順番どおり、一番重要なのが遺産分割対策で、そもそもこの遺産分割が相続税の申告期限までにまとまらないと相続税の軽減などの優遇規定を受けることができず、重い税金負担をしなければならないようになってしまいます。3.の節税対策をどんなにしてもそれが吹き飛ぶくらいの負担がくることだってあるのです。

二番目に重要なのが納税資金対策です。
相続税は申告期限までに現金一括払で納付することが原則です。
国として、もし現金一括払が困難なときは延納することで納付できるのであれば延納してください、現金一括払も延納でも納めることができない場合に限ってはじめて物納を認めますよ、と物納に関しては厳しい姿勢で臨んでいます。
もちろん、国が勝手に延納や物納を認めてくれるわけではなく、納税者側の申請があってはじめて検討してくれるわけです。
申告期限までに納付できない場合には延滞税や加算税を相続税とは別に支払わなければならず負担が一層重くなります。
ですから、相続税の納税資金対策として、相続人が相続税を現金で納付できるのか?どのようにして納付するか?を生前にきちんと検討しておくことが非常に重要となります。

そして、遺産分割問題や納税資金対策がきちんと打たれて三番目に重要な相続税の節税対策も活きることになります。

では、今回のテーマである事業承継における相続税の納税資金対策のポイントとしてどんなことが挙げられるのかご紹介いたします。
1.納税資金問題は生前に検討しておく
2.相続に備えた納税資金の準備として生命保険に加入しておく
3.納税資金対策は、相続人の中に後継者がいる場合と、いない場合とで対策のポイントが異なる
4.どうしても納税資金を捻出できない場合には、延納や物納を検討することになるが、生前における具体的な作業が成功のカギとなる

3.の相続人の中に後継者がいる場合と、いない場合とで納税資金対策のポイントがどのように異なるかというと、
①後継者がいる場合
 ア)株価の引き下げ・・・生命保険の加入や従業員持ち株会等を使った株価の引き下げ
 イ)生前贈与・譲渡
 ウ)非上場株式の相続税の納税猶予適用の準備
 エ)生命保険の加入・・・役員退職金や自己株式の買取資金

②後継者がいない場合
 →M&Aで相続人に金融資産をいかに多く残すかが納税資金対策の要。
  したがってM&Aで高く買ってもらうために企業価値の増大が必要。
   経営権の交代なしにオーナーに相続開始があった場合、会社の業務が混乱し、企業価値が著しく  毀損することで低い価額でM&Aされることも稀でなく、オーナーの生前中にしっかりとした対策を立てておく必要あり。

以上、事業承継における相続税の納税資金対策を簡単にみてきましたが、その内容はなかなか難しいものばかりです。
本当に事業承継って奥が深いですね・・・。









自社株承継の問題点

前回まで、事業承継の必要性、事業承継にあたっては自社株対策が中心であることをお話ししましたが、今回は、自社株承継の問題点をお話し致します。

これまでの話で、事業承継は計画的に準備していくことが大事なんだな、事業承継は自社株対策が重要なんだな、となんとなくではありますが理解していただいたとして、自社株承継を実施していくにあたってどんなところに問題点があるのでしょうか?

自社株承継の問題点として、
1.自社株は換金性がない、又は、著しく低い
2.自社株の一株あたりの相続税評価額が意外に高い
3.議決権保有割合に応じた発言権を持っている
が挙げられるのではないでしょうか。

1については、自社株が非上場株式でしたら市場で売買はされておりませんから、売主側からみれば自社株を買ってもらえる先は基本的にはオーナー一族様か自社株式の発行会社に買い取ってもらうしかありません。
買主であるオーナー一族様や発行会社からしてみれば、自社株式を買い取るための資金の準備をしておかないと買い戻すのも一苦労です。

2については、非上場株式の一株あたりの株価の計算は財産評価基本通達などに基づいて計算することになりますが、これが想像以上に高い株価で計算されてしまいます。
したがって、オーナー様から後継者様に自社株を譲渡や贈与で移すにも多額の資金が必要となりますし、それに伴って多額の税金負担も発生してきます。
また、自社株式の株価が高いだけに遺産分割を困難にさせ、相続税の納税負担も重いものとなってしまいます。

3については、自社株が非後継者様に相続されるとその移った割合に応じて非後継者様が経営に関して発言権を得ることができ、何らかの形で経営に介入してくることも考えられらます。

以上、自社株承継の問題点をみてきましたが、いずれも悩ましい問題ですよね。
ただ、何も手を打たなければ大変な事態になりかねません。

何から手をつけてよいか分からない方は、まずは専門家にご相談されることをお勧め致します。
そして今、自社の株価はいくらなのか、今相続が発生したとしたらどれくらいの相続税が発生し、その納税資金は準備できるかどうか、など現状分析を行ってみてください。
現状分析を行ったらどんな問題があり、どのように解決していけばよいか方向性が見えてくる思います。

 


 


 

 

 


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