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相続税の節税

1.毎年の積み重ねで大きな節税!~生前贈与
2.養子縁組の実施
3.生命保険・退職金の非課税枠を活用 
4.2,110万円まで配偶者へ自宅を贈与
5.円満な遺産分割


1.毎年の積み重ねで大きな節税!~生前贈与

生前贈与は、相続財産を減らすことができるので、相続税の節税対策として非常に有効です。
しかし、贈与税は相続税に比べて税率が高く、1度に多くの財産を贈与すると税金が高くなってしまいます。 そこで、1度に多くの財産を贈与するのではなく、毎年少しずつ子や孫へ贈与していくことで、低い税金の負担で相続税の節税を図ることができます。

「相続税の節税」を目的とした贈与で有効なのは、「暦年贈与」

暦年贈与は、毎年1/1~12/31までの期間を1暦年とし、その期間に複数人から贈与を受けた額の合計額から基礎控除110万円を控除した残額に応じて累進税率により贈与税を課税するものです。
暦年贈与により贈与した財産は、原則として相続財産からはずれることになりますが、相続した者が相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けたものについては相続財産に加算されます。

「暦年贈与」は、一旦贈与してしまえば、その贈与が相続開始前3年を超えておれば、相続財産に加算されることはありませんので、毎年110万円の基礎控除を上手く利用し、コツコツと贈与していけば大きな相続税の節税を図ることができます。またお孫さまやお嫁さまにも贈与することで毎年の贈与財産の額も大きくなり、より一層の節税効果を実現することができます。

生前贈与のポイント

相続税の節税に有効な生前贈与ですが、税務署に適正な生前贈与であったことを証明するためにも、手続きはきちんと行っておきましょう。

ポイントとしては次のとおりです。

  • (1)贈与契約書を作成していること
    贈与の契約の成立は、贈与する側の「贈与します」の意思表示と、贈与を受ける側の「贈与を受けます」の意思表示があって成立します。
    この双方の意思表示を証明するため、贈与契約書で明確に記録しておくべきです。
  • (2)現金の贈与は口座間移動で行う
    贈与契約書に基づいてお金の移動がわかるようにしておきましょう。
  • (3)預貯金通帳や印鑑・カード・証書等を贈与を受けた方が自分の責任で所有・管理していること
  • (4)口座開設の申込書は、贈与を受けた方が自分で記入し、銀行届出印は、贈与を受けた方が使用している印鑑を使っていること

最大の相続税の節税効果を実現するために、毎年いくらの贈与財産の額が有効なのか、どんな手続きを行えばよいのか、専門家と相談して実行していただくのがよいでしょう。

相続時精算課税制度による贈与は慎重に!

一定の要件を満たす方については「相続時精算課税制度による贈与」を選択することも認められています。
しかし、将来相続税が課税される方については、下記の理由からこの制度は利用しないほうがよいでしょう。
相続時精算課税制度による贈与は、65歳以上の親から20歳以上の子供に対して財産を贈与した場合において、2,500万円までの部分については贈与税を無税とし、2,500万円を超える部分については一律20%の贈与税を課税するものです。

しかし、一旦この制度を選択すると、その後「暦年贈与」に戻ることができず、相続時精算課税制度を選択した贈与者からの贈与においては110万円の基礎控除を受けることができません。
さらに、この制度による贈与は相続財産の「前渡し」であるので将来相続が発生したときには、もちろん相続財産に含まれて計算することになります。しかも、その相続発生時にすでにその贈与財産が無くなっていても、贈与時の価額で相続財産に加算されることになります。
したがって、この制度を利用するかしないかは、よく専門家と相談したうえで決定されることをおすすめ致します。

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2.養子縁組の実施

養子縁組を行えば、法定相続人が増えることになるので、相続税の基礎控除額や、生命保険金・退職手当金の非課税金額の枠が大きくなり、相続税の対策になります。

養子縁組の節税効果は、次の4つあります。

  • (1)基礎控除額が大きくなる
  • (2)生命保険金や死亡退職金の非課税限度額が大きくなる
  • (3)相続人が増えれば、課税財産が分散され、低い税率が適用される
  • (4)1親等血族、配偶者以外にかかる相続税2割加算がない※
    ※ただし、代襲相続人以外の孫の場合は2割加算あり

なお、民法上では、何人養子にしても養子はすべて法定相続人になります。
しかし、相続税の計算では実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までが法定相続人として計算されます。

注意したいポイント

相続税の対策として有効な養子縁組ですが、法定相続人が増えれば実子の相続分が減少するため、これが後々の相続争いを引き起こす原因となる場合があります。
また、献身的な介護など面倒を見てくれた同居する子の配偶者を養子縁組した場合、感謝の気持ちを込めて相続財産を合法的に渡すことができるメリットがある一方で、離婚した場合でも相続権が残ってしまいます。

上記のような注意すべきポイントもあるため、養子縁組の実施にはぜひ家族の理解を得たうえで行いたいものです。

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3.生命保険・退職金の非課税枠を活用

生命保険や退職金が相続税の節税に有効な理由は、一定の非課税限度枠があるためです。
被相続人の死亡時に保険金・退職金を受け取ると、「みなし相続財産」として相続税が課税されますが、このとき、次の計算式で求める一定額の非課税枠が設けられています。

 
  • 生命保険金の非課税枠=500万円×法定相続人の数
  • 退職金の非課税枠=500万円×法定相続人の数

※1ただし、非課税枠の適用があるのは相続人のみです。
※2平成23年度税制改正では、生命保険金に係る非課税枠の適用については、500万円に、法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限る。)の数を乗じた金額と改正される予定です。

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4.2,110万円まで配偶者へ自宅を贈与

結婚して20年以上経った夫婦間で、自宅やその購入資金の贈与があったときは、贈与税の申告を要件に、最高2,000万円までの配偶者控除が認められています。

したがって、他の贈与がなければ、基礎控除110万円と合わせて2,110万円までの贈与であれば、贈与税がかかりません。
この贈与の特例を受けるための要件は以下のとおりです。

【適用要件】

  • (1)贈与した者と贈与を受けた者が夫婦であること
  • (2)婚姻期間が20年以上であること
  • (3)居住用不動産の贈与又は居住用不動産の購入のための資金の贈与であること
  • (4)贈与の年の翌年3月15日までに、その贈与を受けた者が居住し、かつ、引き続き居住する見込みであること
  • (5)土地または借地権のみの贈与の場合、その家屋の所有者が贈与を受けた者の配偶者又は同居する親族であること
  • (6)贈与税の申告を行うこと
  • (7)配偶者控除を受ける年の前年以前に同一配偶者からの贈与につき、既にこの配偶者控除を受けていないこと(同一配偶者からは一生に一回のみ)

注意すべきポイント

  • (1)贈与税の配偶者控除の適用により、贈与税が課税されない場合でも、登録免許税や不動産取得税か課税されます。
  • (2)贈与を受ける者が資産を多くお持ちの場合などは、一次相続と二次相続を考慮したときに、相続税の節税に繋がらないばかりか、かえって税負担が多くなるときもあります。

この特例を受けるにあたっては、贈与を受ける配偶者の財産がどれだけあるのかを把握し、相続税負担がどうなるのか、不動産取得税・登録免許税の負担に比べて効果があるのか、をシミュレーションしたうえで実行されるのがよいでしょう。

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5.円満な遺産分割

円満な遺産分割は相続対策で一番重要といえます。

 

どんなに生前相続対策しても、遺産分割がまとまらなければ、相続税の節税につながる配偶者の相続税額の軽減や小規模宅地等の特例、農地等の相続税の納税猶予、非上場株式の相続税の納税猶予、物納などの特例を受けることができません。 遺産分割が成立した場合に比べて、必要な納税資金が多くなり、努力した生前相続対策の効果を一気に打ち消してしまうことになってしまいます。

また、せっかくの血の繋がった家族なので、相続争いとならないよう円満に遺産分割を行いたいものですが、家族だからこそ他人と話すときと異なり、自己の主張を押し通すばかりに不用意な言葉を発してしまい、それがトラブルのもととなり、泥沼の法廷闘争や親子、兄弟姉妹関係の断絶など最悪のケースに至ることもあるのが相続です。

円満な遺産分割を行い相続争いを防止するには、「正しい知識」のほか、「人をいたわる思いやりの気持ち」が一番必要ではないでしょうか。


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